つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2007) 6: TJB2007G308003

生 物 学 公 開 臨 海 実 習     Extension Course of Laboratory and Field Studies in Marine Biology

科目番号: G30 8003  
単位数: 1.5単位
標準履修年次: 2・3年
実施学期 曜時限: 第2学期 集中 [下田]
担当教員: 稲葉 一男、青木 優和、笹倉 靖徳


集中(担当教員: 稲葉 一男、青木 優和、笹倉 靖徳、(狩野 賢司))

授業概要:
 『魚類と小型甲殻類における繁殖行動とそのメカニズム』をテーマとする。
 魚類と小型甲殻類を材料として、繁殖行動やそれに関わる生殖細胞の観察などを行う。野外で魚類のなわばり行動、繁殖行動、種間関係について観察を行う一方、採集した小型甲殻類の子守行動や交尾前ガード行動などについての観察を行い、実験室では生殖細胞について蛍光染色による観察や精子の活性化についての検鏡観察を行う。これらを通じて、海洋生物の行動観察の方法を学ぶとともに、繁殖生態を細胞レベルの視点からも考えられる視野を養う。
(1)潮間帯魚類のマーキングによる行動観察
(2)魚類の精子活性化と環境
(3)魚類生殖細胞の蛍光染色および観察
(4)ヨコエビ・ワレカラ・タナイスなど小型甲殻類の採集と行動観察
(5)自由テーマ研究
講義内容 魚類および甲殻類の行動生態学 魚類の生殖生物学
 
授業内容:
第1日 第1日:センター集合/ガイダンス/講義
第2日 フィールドでの魚類の採集/魚類の精子活性化実験
     魚類生殖細胞の蛍光染色と観察/講義
第3日 岩礁潮間帯における魚類の野外観察・甲殻類の採集/魚類のマーキング
第4日 岩礁潮間帯における魚類の野外観察/データ解析など
     自由テーマ研究課題検討/自由テーマ研究
第5日 自由テーマ研究/研究発表会/反省会
第6日 清掃/解散

前提科目・履修上の注意事項:
ガイダンスを6月下旬に筑波キャンパスで行う予定。また、公開実習なので生物学類内の定員は10名程度にしたい。ただし、ガイダンスで受講の確認をし、辞退者が出た場合には欠員の補充を行う。受講したいが正規の受講申込ができなかった人は、ガイダンスに出席することを薦める。

単位取得条件、成績評価基準:
各課題についての取り組みについての積極性や理解度、受講態度等を考慮して評価する。

指定教科書: なし

参考書・文献:
予め読んでおくと、実習内容についての理解が深まります。
1)桑村・中嶋 編(1996)魚類の繁殖戦略 1 海游舎
2)桑村・狩野 編 (2001) 魚類の社会行動 1 海游舎
3)齊藤 編 (1997) 親子関係の進化生態学―節足動物の社会 北海道大学図書刊行会
4)朝倉 編 (2003) 甲殻類学―エビ・カニとその仲間の世界 東海大学出版会
5)毛利 秀雄・星 元紀 監修 (2006) 新編 精子学 (東京大学出版会)

オフィス・アワー:
青木優和(下田臨海実験センター)に連絡のこと。
E-mail:m-aoki@kurofune.shimoda.tsukuba.ac.jp

備考(受講学生に望むこと):
フィールドに出て行う実習であるため、事故のないように気を引き締めて参加して欲しい。また、天候や海況に大きく影響されるため、実習日程や実習内容は大幅に変更されることがあるので、ご了承願いたい。


©2007 筑波大学生物学類