つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2007) 6: TJB200703KFT.

特集:卒業

皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

古久保-徳永 克男(筑波大学 生命環境科学研究科)

 皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

 早いもので皆さんと最初にお会いしたときから既に4年の歳月が過ぎようとしています。1年生の入寮説明会や様々なガイダンスが今では懐かしく感じられるに違いありません。また,概論科目をはじめ、苦労してレポートをまとめた様々な実験・実習の日々を振り返っている方も多いに違いまりません。この間に,皆さんは筑波大学の学生として、勉学はもとより、社会的にも、また個人的にも多くのことを経験し、人間的にも目覚ましい成長を得たものと信じます。

 みなさんが学んだ筑波大学は研究学園都市に立地し、日本の大学の中でもいろいろな点で恵まれた環境に位置する大学です。キャンパスの広大さと自然の美しさは欧米の伝統的な大学に匹敵するものがあり、諸外国から訪れる研究者からはしばしば都心の他大学に勝るお褒めの言葉をいただいています。皆さんの中にも,筑波大学の持つこれらの卓越した環境に引かれて本学を志望し,生物学類に入学された方も多数いるものと思います。

 陸の孤島と揶揄されたつくばも、皆さんが在学中につくばエクスプレスが開通し,都心との距離が一気に縮まりました。これにより、つくばの恵まれた環境を享受しつつも,同時に都心で開催されるセミナー、映画,ミュージカル,音楽会等の催しにこれまで以上に積極的に参加することが可能となり、皆さんの活動範囲も飛躍的に拡大したものと思います。なかには、アルバイトや就職活動につくばエクスプレスを大いに利用された方も多数いるに違いありません。

 例年、生物学類では80%を超す方々が大学院に進学します。皆さんも多くは大学院に進学し、4月からも筑波大学において勉学を継続するものと思います。他大学の大学院に進学し,新しい環境でそれぞれの学問的興味をさらに深める予定の方もいると思います。また、社会人として飛躍の年を迎えんとする方もいると思います。いずれにせよ、20歳前後という人生の中で最も多感な4年間を過ごしたつくばでの経験を基礎に、さらに自らの新しい未来を模索されることを願ってやみません。

 既に多数の方が様々な機会で指摘されているように、一つの卒業は新しいもう一つの人生の始まりでもあります。このことは,日本のみならず欧米においても広く共有される概念のようであり、卒業はcommencementと表現されます。新しい環境の中で、皆さんの人生と未来がいやまさに輝かんことを祈っています。

Contributed by Katsuo Furukubo-Tokunaga , Received March 22, 2007.

©2007 筑波大学生物学類