1. ムラサキケマン、2. アイルランドポピー、3. クサノオウ.
ケシ科 PapaveraceaeJussieu
種子植物 被子植物 真正双子葉類 キンポウゲ目

ふつう1〜多年草。さまざまなアルカロイドをもつ。菌根を欠く(?)。根の木部は二原型。ときに乳管があり、傷つけると乳液をだすものもある(ケシ亜科)。葉は互生し、単葉、しばしば深く裂ける。托葉を欠く。

花序は多様。花は両性、放射総称または左右相称(ケマンソウ亜科)。萼片は2または3枚でふつう離生、瓦重ね状、早落性。花弁はふつう内外2輪で4または6枚、ふつう離生でつぼみのとき瓦重ね状。雄しべはふつう多数、ときに6または4本。花粉粒は三溝孔粒または多孔粒。子房は上位、心皮は2または多数で合生心皮、1室、側膜胎座に1〜多数の胚珠がつく。胎座はときに突出する。胚珠は曲生または倒生、珠皮は2枚。柱頭は1本〜多数。蜜腺は花糸の基部に存在または欠如。多くは虫媒花だが風媒の種もいる(タケニグサなど)。

果実は胞間裂開または孔開さく果、まれに堅果または節果。外種皮外層はよく発達する。種子には多量の胚乳と小さな胚をもつ。種子にはときに仮種皮をもつ。

世界中に分布し、特に北半球温帯域に多い。40属770種ほどが知られる。代表的な種として、ケシ、クサノオウ、タケニグサ、ムラサキケマンなどがある。左右相称花をもつケマンソウ亜科、多数の雄しべをもつケシ亜科、原始的なオサバグサ亜科をそれぞれ科として扱うこともある。