有胚植物 維管束植物 種子植物 被子植物 コショウ目
ドクダミ科 Saururaceae

長い地下茎または匍匐茎をもつ多年草。leucanthocyaninsをもち、アルカロイドを欠く。道管には階紋穿孔がある。茎の維管束は一または二輪。葉は互生、単葉、全縁。葉脈は掌状脈。托葉は葉柄の基部に合着する。染色体数 n = 9, 11, 12。

茎頂に、総状または穂状花序をつくり、小さな花を密につける。 花序の根本の苞葉は大型で、花弁様に特殊化することもある(ドクダミ属、アネモプシス属)。花は放射相称で両性。花は小さく、小苞葉が明瞭なものとこれを欠くものがある。花被を欠く。雄ずいは3、6または8個(2輪)、葯は内向、花糸は離生または雌ずいに合生。花粉はテクタムをもつ。心皮は3〜4枚、離生または基部で合生。子房上位または下位、側膜または中軸胎座、各心皮に2〜10個の直生胚珠がつく。珠皮は2枚で厚い。珠孔はジグザグ型。

果実は閉果または袋果。種子は小さな胚、少量の内胚乳、多量の外胚乳をもつ。内胚乳形成は造壁型または沼生目型。

4属6種のみが知られる小さなグループ。東アジアと北米の温帯から亜熱帯域にかけて生育する。 ドクダミ(Houttuynia cordata)は民間薬(日本)やハーブ(ベトナム)として利用される。北米の Anemopsis californica の根茎は装飾用に用いられていた(Apache beads)。またドクダミやハンゲショウ(Saururus chinensis)は観賞用に植栽されることがある。