1. スミレ、2. アリアケスミレ、3. パンジー.
スミレ科 Violaceae
種子植物 被子植物 真正双子葉類 バラ目群 キントラノオ目

草本〜高木。ときにサポニンまたはアルカロイドをもつ。葉は互生または対生、単葉、ときに大きく裂ける。托葉をもつ。

花序は無限、葉腋につき、ときに単生。虫媒花だが閉鎖花をつけることがある。花は両性、ふつう左右相称。萼片は5枚、離生、つぼみのとき瓦重ね状。花弁は5枚、離生、つぼみのとき瓦重ね状または包旋状。ふつう下側の花弁に距がある。雄しべは5本、花糸は非常に短く、離生または基部でわずかに合生。下部の2本または全ての雄しべに突起・蜜腺がある。葯は互いに接して花柱を取り巻く。葯隔は扁平でしばしば突出する。花粉はふつう3溝孔粒。子房は上位、3心皮性で合生心皮、側膜胎座にふつう多数の胚珠がつく。胚珠は倒生、珠皮は2枚。花柱は1本、ふつう湾曲して先端が広がる。

果実は胞背裂開さく果、まれに液果。種子は多量の胚乳とまっすぐな胚をもつ。しばしば種子の基部にアリロイドがあり、アリによって運ばれる。

世界中に広く分布するが、とくに温帯域に多い。22属950種ほどが知られるが、半数以上はスミレ属(Viola)に属する。代表的な種として、スミレ、タチツボスミレ、パンジーなどがある。