イヌムギ 犬薺
Bromus catharticus Vahl
単子葉類 イネ目 イネ科 スズメノチャヒキ属

南米原産の多年草であり、世界中に帰化している。日本には明治期に牧草として導入され、北海道から九州に分布。路傍や草原などに極めてふつう。高さ 60〜100 cm、根際で分枝して叢生する。茎は濃緑色で平滑。葉は細長く、15〜30 cm x 4〜10 mm。基部は筒状の葉鞘になり、軟毛が密生。葉舌は白く膜質、4 mm ほど。

花期は5〜8月、茎の先端にまばらな円錐花序をつけて垂れる。節から少数の枝を出し、それぞれ1〜4個の小穂をつける。小穂は両端の尖った披針形、扁平、長さ 2〜2.5 cm、緑色で無毛、5〜6花からなる。第1苞潁はやや小さく、3〜5脈ある。第2苞潁と各小花の護潁はほぼ同形同大、約10脈ある。護潁の芒はごく短い。内潁は護潁の半分ほど。雄しべの花糸は短く、ふつう花の外に出ない。 日本のものはほとんど閉鎖花であり、開花しないまま結実する。