[第2エリア]
ニワゼキショウ 庭石菖
Sisyrinchium atlanticum Bickn.
単子葉類 キジカクシ目 アヤメ科 ニワゼキショウ属

北米原産の多年草。明治期に園芸用として導入されたものといわれ、各地の芝生や路傍に広く帰化している。高さ 10〜20 cm ほどで茎は扁平。葉は単面葉、線形、基部は茎を抱く。

花期は5〜6月、枝先に細い花柄をだして直径約 1.5 cm ほどの花をつける。花は1日花。花被片は6枚、紫色(中写真)または白色(下写真)、濃紫色の部分があり、基部は黄色。花被片の裏面には紫色の筋がある。雄しべは3個、雌しべは1個で花柱は3裂する。子房下位。果実は球形のさく果で直径約 3 mm、紫褐色(左下写真)。3室で熟すと3裂する。

類似種のオオニワゼキショウの花は直径 1 cm ほどとやや小さく、花被片は淡青紫で裏面の筋は目立たない。また果実は直径約 5 mm ほどでニワゼキショウよりも大きい。

北米にはニワゼキショウ属が70〜150種も知られ、自然雑種や変種も多いため、その分類は混乱している。ニワゼキショウの学名についても、Sisyrinchium rosulatum Bickn. とする説もある。オオニワゼキショウとの間の雑種ができることもあり、アキマルニワゼキショウとよばれる。