A-C, 蓋殻(矢頭は唇状突起); A, LM (DIC); B-C, TEM.
不等毛植物門 珪藻綱 中心目 タラシオシラ科
Thalassiosira binata
Fryxell in Hasle et Fryxell 1977
Synonym:
細胞は短円筒形で直径4-18µm、中心有基突起からでる粘液糸でつながった群体を形成する。蓋殻の殻套部が広く斜上しているため、細胞を側面からみると八角形を呈する。
蓋殻の大きな中央小室に接して1本の中心有基突起がある。殻頂縁にはやや長い周縁有基突起が5〜13本あり、1輪に配列する。1本の周縁有基突起に接して1本の細長い唇状突起がある(図中矢頭)。小室は放射状に配列し、密度は3-4個/1µm。
暖水種で夏期に大発生することがある。東京湾のほかに伊勢湾、三河湾などから報告がある。
参考文献 References
- 高野秀昭 (1990) 珪藻綱. In 日本の赤潮生物(副代康夫・高野秀昭・千原光雄・松岡數充 編). 内田鶴閣圃, 東京. pp.162-331.
- 高野秀昭 (1997) 珪藻綱. In 日本産海洋プランクトン検索図鑑(千原光雄・村野正昭 編). 東海大学出版会. pp.169-260.
- Thomas, C.R. (ed.) (1997) Identifying Marine Phytoplankton. Academic Press, San Diego. 858 pp.