1, 2. Noctiluca scintillans. 下田沖 (2010.5.17). Scale bars = 100 µm.
渦鞭毛植物門 ヤコウチュウ綱 ヤコウチュウ目 ヤコウチュウ科
ヤコウチュウ(夜光虫)
Noctiluca scintillans (Macartney) Kofoid et Swezy 1921
Synonyms: Medusa scintillans Macartney 1810; Noctiluca miliaris Suriray ex Lamarck 1816

単細胞遊泳性で細胞はほぼ球形、直径 100-1200 µm と巨大で、肉眼でも確認できる。細胞内はほとんど液胞で占められ、細胞質が糸状に分布する。細胞腹面に口溝があり、その一端が深く窪んで細胞口になる。細胞口付近から大きな触手(tentacle)と短い鞭毛が生じる。口溝の上方に桿状体がある。光合成能を欠き、他の動植物プランクトンを捕食する。二分裂または遊走子(配偶子?)形成によって増殖する。

熱帯から温帯まで沿岸域に広く分布する。暖水期にトマトジュースのような赤潮を形成することで有名であり、ときに魚介類の弊死をもたらす。また和名のヤコウチュウ(夜光虫)が示すように生物発光を行うことでも有名で、暗所では肉眼でも確認できる。

参考文献 References