1, 2: Prorocentrum micans. 1. 生細胞. 1aと1bは同一細胞で焦点をずらしたもの. 2. 鎧板. 下田沖 (2010.10.15). Scale bar = 20 µm.
渦鞭毛植物門 渦鞭毛藻綱 プロロセントルム目 プロロセントルム科
Prorocentrum micans
Ehrenberg 1833
Synonym:
Prorocentrum scilleri Böhm in Schiller 1933;
Prorocentrum levantinoides Bursa 1959;
Prorocentrum pacuficum Wood 1963
単細胞遊泳性、大きさは 35-70 X 20-50 µm、左右にやや扁平。円形に近いものから披針形のものまで細胞外形は変異に富む。細胞中央またはやや前方で最も幅広い。細胞前端は丸みを帯びやや平坦、細胞後端は尖る。細胞頂端には明瞭な頂刺があり、頂刺には三角形の翼片が付随する。2本の鞭毛が細胞前端の鞭毛孔から生じる。細胞は左右の大きな鎧板で覆われる。鎧板表面には丸い窪みが密生し、刺胞孔が列をなして列ぶ。葉緑体は褐色、網状、2枚。核はU字型、細胞後部に位置する。
Prorocentrum gracile との違いが不明瞭なことがあるが、本種は体長が体幅の2倍以下であることで区別されている。
熱帯から寒帯まで世界中の沿岸域に広く分布する。ときに赤潮を形成する。
参考文献 References
- Dodge, J. D. (1982) Marine Dinoflagellates of the British Isles. Her Majesty's Stationery Office, London. 303 pp.
- 福代康夫・井上博明・高山晴義 (1997) 渦鞭毛植物門. In 日本産海洋プランクトン検索図鑑(千原光雄・村野正昭 編). 東海大学出版会. pp. 31-112.
- Steidinger, K.A. & Tangen, K. (1996) Dinoflagellates. In: Identifying Marine Phytoplankton. (Tomas, C.R. Eds), pp. 387-584. San Diego: Academic Press.