1. Dictyocha fibula. 骨格. 下田沖 (2010.5.17). Scale bar = 20 µm.
オクロ植物門 ディクティオカ藻綱 ディクティオカ目 ディクティオカ科
Dictyocha fibula Ehrenberg 1839
Synonym(s):

単細胞遊泳性。珪酸質の骨格をもち、原形質がそれにまとわりついている。骨格は菱形で大きさ10-45 µm。外側の枠(基環)、その各片中央から生じて中央へ伸びる支柱および中央で支柱をつなぐ中心柱からなる。基環の各頂点には刺(放射刺)があり、基環と支柱の接点や中心柱にも刺をもつことがある(支持刺、頂刺)。長い1本の鞭毛が細胞前方から生じている。細胞表面から細い糸状突起が多数出ていることがある。黄褐色で盤状の葉緑体を多数持つ。

骨格の形態には変異が多く、以下のような変種がある。

var. fibra
放射棘が短く、支持刺・頂刺を欠く。
var. lomgispina Lemmermann
放射棘が長く、支持刺をもつが頂刺を欠く。
var. stapedia (Haeckel) Lemmermann
放射棘は短く、頂刺・支持刺をもつ。
var. messanensis (Haeckel) Lemmermann
基環は正方形。頂刺をもつが支持刺を欠く。
var. octagona (Tsumura) Loeblich III
基環は八角形。

世界中の沿岸域に広く分布し、赤潮を形成することもある。

参考文献 References