1. Dictyocha speculum var. octonarius. 生細胞. 2. Dictyocha speculum var. speculum. 骨格. 下田沖 (2010.5.17). Scale bar = 20 µm.
オクロ植物門 ディクティオカ藻綱 ディクティオカ目 ディクティオカ科
Dictyocha speculum Ehrenberg 1839
Synonym: Distephanus speculum (Ehrenberg 1839) Haeckel 1887

単細胞遊泳性。珪酸質の骨格をもち、原形質がそれにまとわりついている。骨格はふつう六角形、ときに五角形または八角形で大きさ15-35 µm、外側の枠(基環)と各片の中央から生じて中央へ伸びる支柱および中央で支柱をつなぐ頂環からなる。基環の各頂点には刺(放射刺)があり、頂環にも刺をもつことがある。長い1本の鞭毛が細胞前方から生じている。細胞表面から細い糸状突起が多数出ていることがある。黄褐色で盤状の葉緑体を多数持つ。北欧産の株では骨格を持たない遊泳細胞とアメーバ状の巨大不動細胞が知られている。

骨格の形態には変異が多く、以下のような変種がある。

var. speculum
基環は六角形。
var. regularis Lemmermann
基環は六角形、頂環が大きい。放射棘が細長い。
var. pentagonum Lemmermann
基環は五角形。
var. octonarius (Ehrenberg) Jørgensen
基環は八角形。別種 Dictyocha octonaria Ehrenberg 1839 または別属 Octactis octonaria (Ehrenberg) Hovasse 1946 とされることがある。

世界中の沿岸域に広く分布する。

参考文献 References