1-6. Aulacoseira granulata. 1,2, 生細胞. 3-6. 被殻. 全て帯面. Scale bar = 10 µm. 土浦港 (2006.10.30).
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 タルケイソウ目 スジタルケイソウ科 スジタルケイソウ属
アウラコセイラ・グラニュラータ(ナナメタルケイソウ)
Aulacoseira granulata
(Ehrenberg) Simonsen 1979, Bacillaria 2: 58.
Basyonym: Gallionella granulata Ehrenberg 1843, Abh. Konigl. Akad. Wiss. Berlin 1841: 415.
Synonym:
Melosira granulata (Ehrenberg) Ralfs in Pritchard 1861;
Gallionella decussata Ehrenberg 1843;
Orthosira punctata W.Smith 1856;
Melosira lineolata Grunow in Van Heurck 1881;
Melosira arcuata Pantocsek 1892.
直径 3-20 µm、殻高 4-16 µm の円筒形の細胞が1列につながって、直線状または湾曲した糸状群体を形成する。殻面は円形、周縁部に小さな胞紋が2輪あり、中央部は無紋。
殻面縁の連結針は短い先広のへら形だが、分離殻では先細、短いものと非常に長いものがまばらに生じている(本種の最大の特徴)。殻套にはこの長い連結針が収まる溝が見られることがある (図3-6)。
殻套には条線(胞紋列)があり、分離殻では側面に平行に配列するが、それ以外の殻ではやや斜めに配列する傾向がある (図2, 5)。条線は8-14/10µm、これを構成する胞紋は7-14/10µm。殻套縁近くには横輪がある。横輪上に唇状突起がある。帯片は開放型、多数の小孔をもつ。葉緑体は盤状で多数 (図1, 2)。
長い間 Melosira 属に分類されていたため、図鑑などでは Melosira granulata の名前で掲載されていることが多い。非常に長い連結針(とそれが収まる溝)の存在によって容易に他種と区別できる。
淡水止水域でしばしば優占種となる。プランクトン性。有機汚濁に対しては広適応性であり、中〜富栄養型、β-中腐水域に多い。pH7-9の水域に多く出現する好アルカリ性。霞ヶ浦でもかなり多くみられた。
参考文献 References
- 小林 弘・出井 雅彦・真山 茂樹・南雲 保・長田 敬五 (2006) 小林弘珪藻図鑑 第1巻. 内田老鶴圃. pp 531. ISBN 4-7536-4046-9.
- Krammer, K. & Lange-Bertalot, H. (1991) Bacillariophyceae. 3. Teil: Centrales, Fragilariaceae, Eunotiaceae. Süßwasserflora von Mitteleuropa. 2/3. Gustav Fischer Verlog. 576 pp.
- 大塚 泰介 (2005) 珪藻図鑑. http://www.lbm.go.jp/ohtsuka/atlas/index.html.
- 渡辺 仁治 (編著) (2005) 淡水珪藻生態図鑑. 内田老鶴圃. pp 666. ISBN 4-7536-4047-7.