1-11. Cyclotella atomus. 被殻 (殻面). 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 ニセコアミケイソウ目 トゲカサケイソウ科 タイコケイソウ属
キクロテラ・アトムス
Cyclotella atomus Hustedt 1937, Arch. Hydrobiol. Suppl. 15: 143. pl.9. f.2-4.
Synonyms:

細胞は円盤状で直径 3.5-7 µm (図10, 11はやや大きいか?) と小さい。単体性。殻高が小さいため、ふつう殻面が観察される。殻面は円形で平坦 (わずかに波打つ)。殻面の中心域が広く、条線は短い。中心域は平滑、ふつう有基突起(中心有基突起)が1個存在する。中心有基突起は外管を欠き、3個の付随孔をもつ。 周縁部には放射状に配列した条線がある(16-20/10µm)。条線は多孔篩板で覆われる。間条線は内側で隆起して肋になっている。 間条線1〜3本おきに有基突起(周縁有基突起)が存在し、光顕下でもその肋がやや太くなっていることで認識できることが多い。周縁有基突起は付随孔を2個もつ。殻面縁に1個の唇状突起をもつ (EM)。唇状突起の裂口は間条線に対して斜め。この唇状突起の位置は中心有基突起と殻の中心を結ぶ線上にある。帯片は開放型、数枚。葉緑体は盤状、数個。

淡水および汽水域に生息し、プランクトンとしてふつうに出現する。有機汚濁に対しては広い適応性を示す中汚濁耐性種であり、α-中腐水〜強腐水域に多い。中性〜好アルカリ性。

参考文献 References