1-3. Cymbella tumida. 4, 5. C. turgidula. 6. C. aspera. 1, 4 は生細胞、他は被殻 (殻面).土浦港. Scale bars = 10 µm (1-5は共通).
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 羽状目 クチビルケイソウ科
キムベラ属(クチビルケイソウ属)
Cymbella Agardh 1830, Conspectus Criticus Diatomacearum. Part 1. Lundae. Litteris Berlingianis. 1. nom. cons.
Type species: Cymbella cymbiformis Agardh 1830 (type conserved)
Synonym:

粘液質の柄をもった樹状群体または単体性。 殻は左右に非対称(まれにほとんど相称)、腹側はほぼ直線状で背側は強く膨らむことが多い。ふつう背側の殻套は腹側のそれよりも深い。 条線は単胞紋列からなり、胞紋は外側では丸孔〜スリットで開口する。殻内面は非閉塞または肉趾状篩板で閉塞されている。ふつう殻両端に殻端小孔域をもち、ここから粘液質柄を出す。 縦溝は殻のほぼ中央を走向する。縦溝外裂溝はしばしば波打つ。外中心裂溝末端は孔状または鉤状で腹側に曲がり、内中心裂溝は一次側からの隆起で覆われる。極裂は背側に曲がる。しばしば1〜数個の遊離点が存在し、内側は複雑な構造で閉塞される。 半殻帯は4枚の開放型帯片で構成される。帯片はふつう単小孔列をもつ。 葉緑体は1個、各殻面に面した大きなH状の葉片と背側でそれをつなぐ連結部からなる。 この連結部には大きなピレノイドがある。

左右非相称な殻をもっている点でEncyonema属に酷似するが、殻の背腹(どちら側に突出するか)と縦溝中心裂・極列の曲がる方向、葉緑体の配置が互いに逆である。

淡水域に広く分布している。付着性。

参考文献 References