1-6. Encyonema silesiacum. 7, 8. E. leei. 9-11. E. g. 12, 13. Encyonema sp. 14. E. p. 土浦港. Scale bar = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 羽状目 クチビルケイソウ科
エンキオネマ属(ハラミクチビルケイソウ属)
Encyonema
Kützing 1833, Synopsis Diatomacearum oder Versuch einer systematischen Zusammenstellung der Diatomeen. p.589.
Type species: Encyonema paradoxum Kützing 1833
Synonym:
粘液質のチューブに入った群体または単体性。
殻は左右に非対称(まれにほぼ対称、図7, 8)、腹側はほぼ直線状で背側は強く膨らむことが多い。背側の殻套は腹側のそれよりも深い。条線は単胞紋列からなり、胞紋は外側ではふつう長軸に細長いスリットで開口する。殻内面では間条線が強く隆起している。殻端小孔域を欠く。縦溝は殻腹側側にほぼ平行に走向する。縦溝外裂溝は波打つ。外中心裂溝末端は孔状で背側に曲がり、内中心裂溝も背側に曲がる。極裂は腹側に曲がり、蝸牛舌も腹側に曲がる。遊離点を欠くが、中心域付近の条線末端の胞紋が特殊化していることがある。帯片は開放型、いくつかは退化的で細胞の一部のみを囲む。少なくともいくつかの帯片は小孔列をもつ。
葉緑体は1個、その中央は細胞腹側に面しており、両殻下へ伸びている。腹側中央と両殻縦溝直下では葉緑体が深くくびれている。葉緑体中央(細胞腹側)にはピレノイドがあるが、やや不明瞭。
左右非相称な殻をもっている点でCymbella属に酷似しており、以前はこの属に含められていた。しかし殻の背腹(どちら側に突出するか)と縦溝中心裂・極列の曲がる方向、葉緑体の配置が正反対であり、おそらく互いに逆側が膨らんで非対称の殻になったものと思われる。
淡水域に広く分布している。付着性。
参考文献 References
- California Academy of Sciences (2006) Diatom Collection.
- Kelly, M.G., Bennion, H., Cox, E.J., Goldsmith, B., Jamieson, J., Juggins, S., Mann, D.G. & Telford, R.J. (2005). Common freshwater diatoms of Britain and Ireland: an interactive key. Environment Agency, Bristol.
- Round, F.E., Crawford, R.M. & Mann, D.G. (1990) The Diatoms. Biology & Morphology of the Genera. Cambridge University Press. 747 pp.