1-5. Fragilaria vaucheriae (?). 被殻 (1は帯面、他は殻面). 土浦港. Scale bar = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 羽状目 オビケイソウ科 オビケイソウ属
フラギラリア・ヴァウケリアエ(カタコブオビケイソウ)
Fragilaria vaucheriae (Kützing) Petersen 1938, Bot. Not. 1938: 167. f.1c-g.
Basyonym: Exilaria vaucheriae Kützing 1833, Linnaea 8: 560. pl.15. f.38.

細胞が殻面で互いに結合して帯状群体を形成する (図1)。帯面観では長方形。殻は線状披針形、中央の片側がやや膨らみ、両端はくちばしじ状〜弱く頭状 (図2-5)。殻長 15-40 µm、殻幅 2-4 µm。条線は互生、ほぼ並行に殻套まで伸び(外面観では殻肩でいったんとぎれる)、殻中央に狭い軸域がある。条線密度は 12-16/10 µm。中心域はふつう片側で広く、殻内側で窪んで馬蹄紋になる。条線は単列の単純な胞紋列からなり、外面が輪形篩板で閉塞される。胞紋密度は約60/10 µm。殻肩の条線上にへら状連結針があり、隣接する細胞の被殻どうしを連結している。殻の両端には殻端小孔域がある。殻の一端には1個の唇状突起がある。殻套の縁には大きなプラークが存在する。帯片は1半被殻あたり4枚、開放型。帯片の殻側に一列の小孔列が見られる。葉緑体は板状、2個。有性生殖が報告されている。

河川、湖沼、水田など淡水域に広く生息する普通種。付着性。好清水性だが、α-中腐水域まで耐える (小林1995, 渡邊ら 2005)。好アルカリ性 (渡邊ら 2005)。

参考文献 References