1-4. Melosira varians. 1. 生細胞 (帯面). 2-4. 被殻 (2,3. 帯面. 4.殻面). 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 タルケイソウ目 タルケイソウ科
メロシラ属(タルケイソウ属)
Melosira Agardh 1824, Syst. Algarum xiv: 8. nom. et orth. cons.
Type species: Melosira nummuloides Agardh 1824 (lectotype by Boyer 1927, p. 24)
Synonym: Lysigonium Link 1820

円筒形の細胞が1列につながって、直線状の糸状群体を形成する (図1)。隣接する細胞の被殻はふつう粘液質で緩くつながっている。殻高が大きいためふつう帯面が観察される。殻面は円形で平坦またはドーム状に隆起しており、小刺や顆粒が見られることがある (図4)。殻面と殻套の境界は不明瞭で連続的であることが多い。殻套には胞紋列が見られることがあるが、ふつう不明瞭 (図2, 3)。殻面または殻套に唇状突起をもつ(EM)。葉緑体は盤状で多数 (図1)。

2分裂によって糸状群体が伸長する。ときに有性生殖によって増大胞子を形成する。

円筒形の細胞が一列につながって糸状体を形成する珪藻の多くが本属に含まれていたが、現在ではAulacoseira, Paralia, Orthoseira, Ellerbeckiaなど多くの属が分離されている。

淡水および沿岸海水域に広く生息し、多くは付着性であるが、プランクトンとして出現することもある。特にMelosira variansは霞ヶ浦を含めて淡水域で極めてふつうに見られ、量も多い。

参考文献 References