1. Chlamydomonas monadina. 2. Chlamydomonas sp. 3. Chlamydomonas sp. 4. Chlamydomonas sp. 5. Chlamydomonas moewusii ? 6. Chlamydomonas sp. 7. Chlamydomonas sp. 8. Chlamydomonas sp. 9. Chlamydomonas sp. 土浦港. Scale bars = 10 µm (1-8 は共通).
植物界 緑色植物亜界 緑藻植物門 緑藻綱 ボルボックス目 クラミドモナス科*
クラミドモナス属 (コナミドリムシ属、コナヒゲムシ属)*
Chlamydomonas Ehrenberg 1834, Adh. K. Akad. Wiss. Berlin, Phys. Kl., 1832: 288.
Type species: Chlamydomonas reinhardtii Dangeard 1888 [命名規約上は C. pulvisculus (O.F. Müller) Ehrenberg 1834 であるが、Pröscholda et al. (2001) によってC. reinhardtii をタイプとして保存することが提唱されている]
Synonyms:

基本的に単細胞自由遊泳性。球形〜楕円形の細胞の頂端から2本の等長鞭毛が前方左右に伸びている (図2-4, 6)。鞭毛のでている孔以外は糖タンパク質性の細胞壁(テカ)で囲まれ、細胞頂端では細胞壁が肥厚してパピラを形成することもある (図5, 7)。葉緑体は1個、形状はカップ型、帯状、H型、星状などさまざまである。ピレノイドは1〜多数、位置はさまざま。葉緑体中にはふつう眼点が存在し、細胞側方に位置する (図5, 6)。ふつう細胞頂端に2〜多数の収縮胞をもつ (図1, 4, 5)。核は1個。 遊泳能を失ったパルメラ期やコッコイド期がふつうに見られる (図9)。

ふつう不動状態になってから遊走子形成を行って増殖する。有性生殖は同型配偶子接合から異型配偶子接合、卵生殖まで知られる。接合子は厚くときに突起などで装飾された細胞壁をもち、耐久胞子となる。接合子は減数分裂によって2〜8個の娘細胞を形成する。

600種以上が記載されている大きな属であり、葉緑体の形やピレノイドの位置によっていくつかの亜属に分けられている。明らかに多系統群(側系統群)であることが知られている。おそらく本属の特徴はボルボックス目の祖先形質であり、将来的には多数の属に分割されるものと思われる。現時点でも属の再定義がなされ、いくつかの属 (Oogamochlamys, Lobochlamys) が新設されているが (Pröscholda et al. 2001)、未だ膨大な種が残されている。ここでは古典的な意味での属の特徴を示してある。

多くは淡水域に生育するが、汽水〜海水種もいる。きわめてふつうにみられる。土壌藻や有孔虫の共生者として知られる種もある。霞ヶ浦でも多数の種が見られ、C. monadina などはかなり多いときがある。

参考文献 References