ふつう4細胞が同一平面状で菱形に集まって不動性定数群体を形成する。無性生殖後も娘群体が親細胞壁についたままで複合群体を形成することもある(後述参照)。ときに粘液質で包まれる。細胞は 4-15 x 2-7.5 µm、楕円形〜三日月形。細胞壁は平滑、繊維質の内層とスポロポレニン性の外層からなる。隣接細胞と接している部分や細胞先端の細胞壁がときに肥厚する。細胞は単核性 (?)。葉緑体は1個、沿膜性、ふつうデンプン鞘が連続的で明瞭なピレノイドを1個もつ。ピレノイド基質に貫入物はない (EM)。
各細胞内で細胞分裂して4細胞からなる娘群体を形成する。細胞は母群体の長軸とほぼ平行〜斜めに分裂する。鞭毛細胞や有性生殖は未知。
15種ほどが記載されている。細胞の大きさ、形態、細胞壁の肥厚などで分類されている。群体の外形は Crucigenia や Tetrastrum に類似するが、Crucigeniella pulchra はこれらの属と細胞微細構造(ピレノイド、細胞壁など) や生化学的特徴(ポリアミン組成など)が明らかに異なる。おそらく本属の多くの種は Scenedesmus に近縁であると思われる。光顕下でも明瞭なピレノイドの存在によって Crucigenia などとは見分けられる。ただしタイプ種の Crucigeniella lunaris は明瞭なピレノイドを欠くなど本属の他の種とは異なっており、大部分の種はこの属から外すべきなのかもしれない。
世界中の淡水止水域に分布する。プランクトン性。霞ヶ浦では Crucigeniella pulchra (C. apiculata?) がしばしば見られる。