1. Dictyosphaerium ehrenbergiamum. 2. D. pulchellum. 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
植物界 緑色植物亜界 緑藻植物門 トレボウキシア綱 クロレラ目 クロレラ科
ディクティオスファエリウム属
Dictyosphaerium Nägeli 1849
Type species: Dictyosphaerium ehrenbergianum Nägeli 1849
Synonyms: Brachionococcus Naumann 1919

4〜64個の細胞が、柄状になった母細胞壁の裂片でつながって球状〜不定形の不動性定数群体(直径 10-100 µm)を形成する。まれに単細胞性。粘液物質に覆われる。各細胞は群体表面に分布する。細胞は球形〜楕円形、直径 1-10 µm。細胞は単核性。葉緑体はふつう1個(ときに2個)、沿膜性でカップ状、ピレノイドを1個もつ。

2または4個の自生胞子を形成して無性生殖を行う。自生胞子は柄状になった母細胞壁の裂片についたままであることが多いため、2分岐または4分岐した枝の先端に細胞が付いた形態になる。初期の研究では遊走子形成が報告されているが、近年では疑問視されている。ただ1種でのみ卵生殖による有性生殖が知られている。

30種ほどが記載されている。細胞の大きさや形態、細胞の配列などで分類されている。系統的にはChlorella (狭義)にきわめて近縁である。

世界中の淡水止水域に非常に普遍的に生育する。プランクトン性。富栄養域でときに大発生することがある。

参考文献 References