1-3. Pandorina morum. 土浦港 (2007.9.4). Scale bar = µm.
植物界 緑色植物亜界 緑藻植物門 緑藻綱 ボルボックス目 ボルボックス科
パンドリナ属
Pandorina
Bory de Saint-Vincent 1824, Encyclopedia Methodique. Hist. Nat. Zoophytes 2: 600.
Type species: Pandorina morum Bory de Saint-Vincent 1824
Synonyms:
16または32細胞が放射状に配列して楕円形の自由遊泳性群体を形成する。群体の細胞は共通の糖タンパク性細胞壁に包まれている。各細胞は球形、楕円形またはくさび形、細胞の頂端から2本の等長鞭毛が生じている。葉緑体は1個、形状はカップ型。ピレノイドは1個〜多数存在する。葉緑体中には眼点が存在し、細胞前方に位置する。群体前方の細胞の眼点は後方のものより大きい。細胞頂端に2個の収縮胞をもつ。核は1個。
各細胞は細胞壁内で分裂して平板状のプラケア (plakea) を形成し、これが反転して親と同じ細胞数の娘群体になる。有性生殖時には、群体から抜け出した配偶子による同型配偶子接合を行う。4本鞭毛性の動接合子を経て不動接合子(休眠接合子)を形成する。不動接合子は減数分裂を経て1個のゴーン細胞 (gone cell) を形成する。ゴーン細胞は無性生殖と同様に分裂して親と同じ群体を形成する。
20種程度が記載されている。P. morum には同一形態種内に多数のシンジェンが存在することが知られている。
淡水止水域に広く生育する。プランクトン性。調べられた種(Pandorina morum)ではビタミンや炭素源を必須とはしないが、混合栄養も可能なことが知られている。霞ヶ浦では Pandorina morum が比較的多く見られる。
参考文献 References
- Guiry, M.D. & Guiry, G.M. (2006) AlgaeBase version 4.2. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. http://www.algaebase.org; searched on 13 December 2006.
- Nozaki, H. & Itoh, M. (1994) Phylogenetic relationships within the colonial Volvocales (Chlorophyta) inferred from cladistic analysis based on morphological data. Journal of Phycology 30: 353-365
- 山岸高旺 (2007) 淡水藻類 淡水産藻類属総覧. 内田老鶴圃. 1428 pp.