1, 2. Chrysococcus sp. 土浦港 (2006.10.30). Scale bars = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 黄金色藻綱 クロムリナ目* クリソコックス科
クリソコックス属
Chrysococcus G.A.Klebs 1892, Z. Wiss. Zool. 55: 413.
Type species: Chrysococcus rufescens G.A.Klebs 1892
Synonym: Chrysococcystis Doflein 1923, Phacochrysis Czosn 1948

自由遊泳性の細胞が球形〜楕円形のロリカの中に収まっている。ロリカは鉄やマンガンを蓄積しているため茶褐色で半透明、表面は平滑または彫紋があり、長い刺状突起をもった種もある。ロリカの頂端には1個の小さな孔があり、それに加えていくつか孔をもつ種もある。細胞は球形〜楕円形、頂端から2本の不等長の鞭毛が生じている。長鞭毛はロリカ頂端の孔から前方へ伸びており、管状小毛が付随する。短鞭毛は非常に短く、ロリカ外へは出ない(光顕ではほとんど見えない)。細胞は黄褐色の葉緑体を1個(2〜多数?)もち、ふつう赤色の眼点が鞭毛基部付近に1個存在する。細胞前端付近には収縮胞があり、細胞後部にはクリソラミナラン小胞が存在する。ロリカが茶褐色を帯びているため、細胞内構造はよく見えない。

2分裂によって増殖する。娘細胞のうち一つは母細胞のロリカ内にとどまり、もう1つの娘細胞は泳ぎ出て新たなロリカを形成する。ロリカ内または外でスタト胞子を形成することがある。有性生殖は未知。

約50種が知られる。ロリカの形態などで分類される。

プランクトン性で淡水止水域に広く分布するが、小さいため見逃されることも多いと思われる。ロリカのみが見られることも多い。おそらく食作用は行わない光独立栄養性。

参考文献 References