1-4. Paraphysomonas vestita (?). 土浦港 (2006.10.30). Scale bars = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 黄金色藻綱 オクロモナス目* パラフィソモナス科
パラフィソモナス属
Paraphysomonas De Saedeleer 1929
Type species: Paraphysomonas vestita (Stokes 1885) De Saedeleer 1929
Synonym: Physomonas Kent 1880; Lepidochromonas Kristiansen 1980

単細胞遊泳性で、珪酸質の小さな鱗片で覆われている(光顕では確認できないこともある)。鱗片は細胞周縁部のER中で形成される。自由遊泳性または細胞後端から細い細胞糸を出して基物に付着している。細胞はふつう球形〜楕円形だが、大きな餌を取り込んだときは大きく変形していることがある。細胞亜長短〜頂端から長短2本の鞭毛が生じている。長鞭毛は細胞長よりも長く、前方へ伸びて鞭毛打によって餌粒子を細胞へ引き寄せている。短鞭毛近くに細胞口があり、餌粒子を取り込む。葉緑体を欠くが、白色体(ロイコプラスト)をもち、その中に眼点が存在することがある。収縮胞をもち、またクリソラミナラン胞 (?) が見られることがある。

細胞は2分裂によって増殖する。有性生殖は知られていない。数種でスタト胞子形成が報告されている。

多くの種が知られ、鱗片の形態で分類されている。

淡水止水域および海域に広く分布する。補食栄養性でバクテリアや他の単細胞性真核生物(緑色藻や珪藻)を捕食する。アオコ(Microcystis)を補食することもある (図4)。

参考文献 References