1-3. Spumella spp. 土浦港. Scale bars = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 黄金色藻綱 オクロモナス目* オクロモナス科*
スプメラ属
Spumella Cienkowsky 1870: 433.
Type species: Spumella vulgaris Cienkowsky 1870
Synonym:

単細胞遊泳性、ときに細胞後端から糸状突起を伸ばして基物に付着または他個体と結合して群体を形成する。細胞は円形〜楕円形、細胞前端付近から2本の不等長・不等運動性鞭毛が生じている。長鞭毛は前方へ伸び、管状マスチゴネマが付随する (EM)。長鞭毛の運動によって遊泳や餌粒子の引き寄せを行う。短鞭毛は非常に短く、ときに確認できない。葉緑体を欠くが、小さな白色体をもち、ときにこの中に眼点をもつ (図3)。細胞前方に収縮胞をもち、後方にはクリソラミナラン胞や食胞がある。ときに射出装置(粘液胞やディスコボロシスト)をもつ。

2分裂によって増殖する。多くの種でスタト胞子形成が知られる。

分類学的に混乱している属であり、MonasHeterochromonas の名でも知られる。また黄金色藻の中で葉緑体の退化、従属栄養化は何度も起こっているらしく、Spumellaは多系統であることが示されている。

淡水域、海域ともに極めてふつうに見られる。プランクトン性または付着性。捕食栄養性でバクテリアや珪藻、緑藻などを鞭毛打で引き寄せ、細胞前方の捕食装置で取り込む。

参考文献 References