1-3. Mougeotia sp. 土浦港. Scale bar = 10 µm.
植物界 緑色植物亜界 ストレプト植物門 接合藻綱 ホシミドロ目* ホシミドロ科*
ヒザオリ属
Mougeotia C. Agardh 1824: xxvi, 83.
Type species: Mougeotia genuflexa (Dillwyn) C. Agardh
Synonym:

無分枝の単列糸状体。細胞は縦長の円筒形で直径 5 - 30 µm。細胞壁はセルロース性の内層と粘液質の外層からなる。糸状体基端はときに仮根状。葉緑体は1個(ときに2)で平板状、中軸性、数個のピレノイドが1列に列んでいる。この葉緑体は光に反応して方向を変えることが知られており、光生物学の材料として用いられることがある。細胞は単核性、細胞中央付近に位置する。染色体は小形で n = 24 - 92。

細胞分裂によって伸長し、糸状体の分断によって増殖する。また不動胞子 (aplanospores) または単性胞子 (parthenospores)による無性生殖を行う。これら胞子の形態は接合胞子と同じ。有性生殖は接合 (conjugation) によって行われる。ほとんどは雌雄同株。ふつう糸状体が平行に近接し、その間に接合管が形成される。不動配偶子はアメーバ運動を行って接近、融合し、接合管内に接合子 (接合胞子)を形成する。配偶子嚢には細胞質残渣が残る。接合胞子の形態は球形や立方体形などさまざま。接合胞子壁は透明な内層とキチン質の外層からなる。発芽時に減数分裂をする。

数十種が記載されており、細胞の大きさや葉緑体の特徴で分類されているが、有性生殖の様子や接合胞子の形態も重要な分類形質であり、栄養体の形態からの分類は難しい。

世界中の淡水域に広く生育する。きわめてふつう。塊として浮遊または基物に付着している。

参考文献 References