光合成アンテナタンパク質LHCの進化

酸素発生型の光合成において光エネルギーを捕捉し、光化学系I と光化学系IIの反応中心に伝達しているのが集光性色素タンパク複合体(LHC)、いわゆるアンテナタンパク質である。LHCは、それをコードする遺伝子が大きなファミリーを形成しており、藻類群毎にそれぞれ機能と構造の分化が起こったと考えられ、光合成装置の進化を探る一つのカギといえる。

我々は、様々な藻類群のLHCタンパク遺伝子およびアミノ酸配列を比較し、LHCタンパク質とそれに伴う光合成装置全体の進化を解明しようとしています。

参考文献
・三室守(1996)藻類の光合成系で機能するタンパク質の系統性と進化。藻類44(2):75-86
・三室守(1999)光合成色素にみる多様性。バイオディバーシティ・シリーズ3 藻類の多様性と系統(千原光雄・編)裳華房 pp.68-94
・石田健一郎(2001)藻類はなぜカラフルになり得たか。藻類49(3):212-214