博士課程 生物科学研究科
植物の胚が発達するとき、胚自身と母体組織との間で胚発生に重要ななんらかの因
子のやりとりが行われていると考えています。私はそこに注目して、様々な植物の不
定胚系及び種子胚を材料に以下のことについて現在、研究しています。
1 ニンジン不定胚形成に及ぼす細胞密度の効果に関する研究
ニンジンの不定胚誘導系では、細胞を高密度下で培養した場合、不定胚への分化、発達に阻害効果が観察される。当研究室では、この原因物質のひとつが既に単離され、p-hydroxybenzylalcohol(pHBA)であることが確認されている。また、pHBAは不定胚だけではなく、ニンジンの未熟種子にも存在し、胚発生の際に、特異的に合成され、pHBAは胚発生の特に初期の細胞分裂を阻害する。しかし、pHBAの各種植物における一般性、生合成系、生理的な存在意義などは未だ解明されておらず、今後の課題として残されている。
2 カラマツの胚柄の構造と機能の解析
胚柄は受精卵の細胞分裂によって生じる基部側の細胞から形成され、胚の発達に従い、退縮する。その役割は胚への栄養供給や胚の物理的支持が役割とされているが、それを実証する研究は未だなく、未だその機能について解明されていない。実際の植物体から胚柄組織を取り出すことは非常に困難なので、組織培養系で胚柄を得ることができる裸子植物のうち、カラマツを材料に胚柄の形成促進及び阻害因子の単離、同定を行い、胚柄の真の機能を解明することを目的とする。
3 アラビドプシスの変異体を使った解析
胚発生時に異常が観察されるアラビドプシスの突然変異体で、その機能がいまだ解明されていないものについて逆遺伝学的アプローチで解析する。現在、多胚性をもったtwin、胚柄部分が細胞塊を形成するsusなどを材料にしている。ただしアラビドプシスは分子生物学的研究には適しているが、生理学的研究には難があるといわれている。不定胚誘導系も報告されているが、ニンジンの系に比べると不完全である。そこで、不定胚誘導系の改良にも現在着手している。
<プロフィール>
本名 梅原三貴久
私はこういうものです。
1997年 3月 筑波大学 生物学類 卒業
1997年 4月 筑波大学 生物科学研究科入学
趣味:ガンプラ一筋20と6年、その他切手収集、アニメ鑑賞(ロボット系中心)など
特技:土下座一筋20と6年。その他、素で身を削ったギャグ、ただし心臓の弱い方
は注意が必要です。
信条:研究は1に体力、2に金、3に愛(情熱)!(今は3のみで動いているかも)
性格:はまりやすく、さめにくい。(そしてアホです。)
目標:教科書になるような偉大な研究