1-6. Desmodesmus spp. 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
植物界 緑色植物亜界 緑藻植物門 緑藻綱 ヨコワミドロ目 イカダモ科
デスモデスムス属
Desmodesmus (Chodat) An, Friedl et Hegewald 1999, Plant biol. (Stuttg.) 1:
Type species:
Basionym: Sceriedesmus subgenus Desmodesmus Chodat 1926, Z. Hydrol. 3: 111.
Synonyms:

ふつう4または8(ときに2)細胞が一列(まれに2列)に連なって不動性定数群体を形成する。まれに単細胞性。ときに寒天質で包まれる。細胞は楕円形から長方形、弓形などさまざま。細胞壁は繊維質(セルロース性)の内層とスポロポレニン性の外層からなり、表面には細かい顆粒〜蜂の巣状構造がある (EM)。ふつう刺をもつが、これを欠くこともある。細胞は単核性だが成熟すると多核性。葉緑体は1個、沿膜性、デンプン鞘が連続的で明瞭なピレノイドを1個もつ。ピレノイド基質に貫入物はない。

ふつう各細胞内で細胞分裂して娘群体を形成する。有性生殖はまれだが、各細胞が配偶子を形成し、同型配偶子接合を行うことが報告されている。接合子の形態やその後の過程は未知。

細胞壁微細構造の差異などから Scenedesmus 属の亜属として扱われていたが、系統的にもやや異なることが明らかとなり、近年別属とされた (An et al. 1999, Hedgewald 2000)。ただしいまだ組み替えられていない種も多い細胞の大きさ・形態、刺の分布・形態、群体の外形などで分類されているが、形態の可塑性が大きいため分類は難しい。

世界中の淡水止水域に極めて普遍的に生育する。

参考文献 References