つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2003) 7: TJB200307AY.

特集:大学説明会

学生生活 ―受験について―

安賀 愛 (筑波大学 生物学類1年)

   

 みなさん、こんにちは。今回受験について私の体験談をお話ししたいと思いま す。私も2年前の高校2年生の夏、みなさんと同じ様にこの説明会に参加しました。 その前から「筑波大学に入学できたらなあ…」と軽くは思っていたのですが、説明会 で教官や学生の方から直に話しを聞く事ができ、「絶対この学類に入学する!」と決 めました。

 ところが決心したのはいいものの、当時の成績では厳しく、しかも私は初めから一般 入試しか考えていなかったので、計画的に入試対策を立てないと、到底合格は無理で した。そこで3年生になって慌てないように2年生の内から入試にどんな科目が必要 なのかを少しずつ調べ始めました。

 3年生になってからは夏休みになるまでセンター試験と二次試験対策を交互にやって いました。センター試験の問題は、とにかく慣れることを考えて時間を5〜10分短 縮して解いていました。二次対策としては、この大学は数学がVCだけなのでVCの 問題集を解いたり、3年生になるまで全く手をつけていなかった生物を一から復習し たりしていました。夏休み明けからは、いよいよ筑波や私大の赤本を解きはじめまし た。時間は全く気にせず解ける問題だけ解いていました。冬休みは、はっきり言って センター試験対策しかしなかったと思います。たった2週間でしたが、あまり得意で なかった国語や化学が点を取れるようになりました。

 ところが本番では、いつもは点が取れる科目で大失敗し思うような結果が得られませ んでした。(この時は本当に緊張していて生まれて初めて胃痛になり、ストレスが胃 にくることを身をもって体験。深夜眠らずに新聞配達を待ち、半泣きで自己採点しま した。本音を言えば二度とあんな思いをしたくない!というのが正直なところで す…)志望校を変更しようと本気で悩みましたが二次試験対策は筑波の問題しかやっ ていなかったので浪人覚悟で前期、後期の両方を出願しました。センター試験後は赤 本をひたすら解きました。その他にも英語は長文や英作文の問題集を買って高校の英 語の先生に添削してもらいました。

 二次試験の本番はセンター試験の際に緊張し尽くしたせいか、半ば開き直って受けま した。問題も、ちょうど事前に勉強した問題が出題されてラッキーだったと思いま す。そんなこんなで、なぜか無事に合格。どうして受かったのか、未だによく分かり ませんが早い段階で志望校を決定し対策が割と多く取れたことが良かったのかもしれ ません。

 ここで私の反省も含めて、みなさんにアドバイスをしたいと思います。まずセンター 試験ですが、これは先ほど述べた様に練習をすればするほど点数はある程度取れてき ます。しかし、過去問を解く際に気をつけなくてはならないのは、去年出題された問 題は今年は決して出ないということです。私も過去問では英語と数学がよく取れまし たが、すっかり油断してしまい本番では痛い目にあいました。ある程度形式に慣れて きたら、少し難しい問題を(特に数学!)解いてみてもよいでしょう。二次試験対策と しては赤本の出題傾向のページを読んでみるのが一番手っ取り早いと思います。それ ほど、ひねった問題は無いので解けない問題は他の人も解けないだろうと、さっさと 諦める事が肝心です。私の場合、数学は問題を見て大問一題、丸々捨てました。難し い問題を沢山解くよりも基礎をしっかり固めた方がいいと思います。

 次に推薦・AC入試、後期試験について友人の体験を参考に、お話ししたいと思 います。推薦入試では調査書の他に、面接と生物に関する小論文が課されます。私の 友人は生物に関する新聞を片っ端から読んだそうです。高校の成績と生物の知識に自 身のある方はお勧めです。AC入試は成績より研究内容に重点が置かれるようです。 ここでは自分の研究内容が自由に発表できるそうですがレベルはかなり高いようで す。センター試験も英語と生物を受けなければならないので結構大変だと思います。 後期試験はセンター試験の成績でほぼ決まるように見えますが、そうでもなさそうで す。いろんな人の話しを聞きましたが結局、自分は何に興味があるのか、この大学に 入学したら何をしたいかが明確に伝えられた人が合格しているように思います。

 最後に受験の時期は模擬試験の結果に一喜一憂したりして自信を無くしがちです。模 擬試験はあくまで目安の一つでしかありません。ずっとAだった人が落ちてしまうこ とがあれば、DやEしかとったことのない人でも受かったりします。私も最後の記述 模試が全くできず判定はDでした。でも受験校を変えなくて、よかったと思います。 受験は身体的にも精神的にも大変だと思いますが、諦めずに頑張ってください。みな さんの健闘を祈ります。

Communicated by Fumiaki Maruo, Received August 1, 2003.

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