有胚植物 維管束植物 種子植物 被子植物 単子葉植物 ショウブ目
ショウブ科
AcoraceaeMartinov
水辺に生える地下茎をもった多年草。地下茎はsympodially。二次成長を欠く。導管は長い階段穿孔をもつ、porose。根の中心柱は五原型。茎に内皮がある。葉は2列互生、単面葉、細長い剣状葉、全縁、葉柄を欠き、葉鞘あり。平行脈。基部に介在分裂組織あり。精油細胞をもち、針晶を欠く。珪酸体をもつ。 花は長い円筒状の肉穂花序につき、葉状の仏炎苞がある。花梗は2本の維管束をもつ。総苞葉、小苞葉を欠く。花は小形、両性、わずかに左右相称。雌性先熟。 花被は6枚、2輪に輪生、離生。外花被片は大きく、苞葉状。 雄しべは6個、2輪、離生。葯は底着、内向、confluent裂開。葯の内被細胞は縞状肥厚を示す。タペート組織は分泌型、タペート細胞は2〜4核性。小胞子形成は連続型。花粉粒は単溝粒、2細胞性。エンデキシン(内層)は層状、発芽溝はエクテキシン(外層)を欠く。 心皮は3枚 (2-4)、合生心皮、ascidiate-plicate。子房上位で心皮と同数の子房室に分かれる。粘液を分泌する子房内トリコームがある。心皮間に非分泌性溝があるが、これは退化した蜜腺かもしれない。1心皮あたり2〜4個の胚珠が中軸〜頂生胎座につく。胚珠は直生胚珠、2珠皮性。ハイポステースが発達。胚嚢発生はタデ型。花柱溝にexudateあり。 collar rhizoids + 果実は複漿果。内胚乳は細胞性、珠心表皮起源の外胚乳をもつ。子葉は1枚、胚は緑色。 染色体数 n = 9, 11, 12。プロアンソシアニジンをもつ。 ショウブ属 (Acorus) の2(または4)種のみが知られる。北米〜ユーラシア北部、および南〜東南アジアに分布。 以前はサトイモ科に含められていたが、形態的および生化学的特徴がかなり異質であり、独立の科とされた。近年の分子系統学的研究から、単子葉植物の中で最も初期に分かれたものであることが示されている。 植物体は精油を含むため芳香があり、日本では菖蒲湯につかう。また薬用に用いられることもある。 |