[根子岳山頂付近]
シラビソ(シラベ) 白檜曽
Abies veitchii Lindl.
裸子植物 マツ目 マツ科 モミ属

本州(福島から和歌山)および四国の亜高山帯に生育し、極相林を形成する常緑高木。ふつうコメツガトウヒオオシラビソなどと混成するが、純林となることもある。寿命はあまり長くなく、次々更新する。幹は直立し、大きなもので高さ25 m、胸高直径 80 cm に達する。樹皮は灰白色で平滑、ところどころに横長の脂袋がある。若い枝には褐色の短毛がある。葉は密に螺生するが、ほぼ左右2列にならび、そのため上面から葉の間に枝が見える (オオシラビソは枝がほとんど見えない)。葉は扁平で線形、長さ 2〜2.5 cm、先端は凹む。表面は濃緑色で光沢あり、裏面の中肋両側に白色の気孔帯がある。葉痕は丸い。

花期は6月。雌雄同株。雄花は小枝の先に群生、長楕円形、有柄、基部は鱗片で包まれる。葯は2個、横開する。球果は前年枝に1〜3個つき、直立、はじめ暗紅色、成熟すると暗青紫色、円柱形、4〜6.5 x 1.5〜2 cm。種鱗は扁形、基部はくさび形、先は暗青紫色でやや無毛。苞鱗はさじ形、先は丸く微凸頭、種鱗よりやや長い。種子は2個ならび、倒卵状くさび形、黒褐色、長さ約 6 mm、翼は種子より短く、暗紫色。