ヤブカラシ 藪枯
Cayratia japonica (Thunb.) Gagnep.
真正双子葉類 ブドウ目 ブドウ科 ヤブカラシ属

ビンボウカズラ(貧乏葛)ともよばれる。日本全国に分布する多年生つる草。林縁や荒れ地に生え、町中でもふつうにみられる。地下茎を持ち、地上茎は長さ2〜3 m。葉は互生、ふつう5小葉からなる鳥足状複葉(下写真)だが、ときに3または4小葉からなる(特に2倍体)。小葉は卵形で尖頭、縁に鋸歯をもつ。葉と対生する巻きひげをもち、基物に絡まる。

花期は6〜8月、葉と対生する位置に散房状の集散花序をつける。花は直径約 5 mm、薄緑色の花弁を4枚もつ(中写真)が、開花後半日ほどで散る。雄しべは4個(中写真)、これも開花後すぐに落ちる。雌しべは1個、基部に蜜を分泌する花盤があり、橙色から桃色に変化する。虫媒花でアクセスしやすい場所に大量の蜜を分泌するためハチやハナムグリなどが多く訪花する。ただしふつうにみられる個体は3倍体で結実しない。西日本には結実する2倍体がいるらしい。果実は液果、黒色に熟す。

漢名は烏歛苺(ウレンボ)であり、利尿・解毒・鎮痛などの生薬とする。