ヤセウツボ 痩靫
Orobanche minor Sm.
真正双子葉類 シソ目 ハマウツボ科 ハマウツボ属

地中海沿岸域原産の一年生全寄生植物。近年かなり増えた。マメ科(学内ではムラサキツメクサに寄生していることが多い)やキク科、セリ科植物の根に寄生しており、光合成能を欠く。アフリカなどではマメ科作物に寄生して大きな被害を与えることがある。全体に褐色の腺毛が密生する。茎は濃褐色、高さ 15〜40 cm。葉は鱗片状、まばらに互生し、茶褐色、披針形。

花期は5〜6月。茎の上部に総状に花をつける。萼は左右2片に分かれ、左右それぞれも2裂、裂片の先端は尾状。花弁は唇形花冠を形成し、淡黄褐色で紫色の筋があり、長さ 1.2〜1.5 cm、縁は不規則に切れ込む。雄しべは4個で2長雄しべ、葯は黒色。雌しべは1個。柱頭は赤褐色、膨らんで2つに分かれる(下写真)。ふつう同花受粉するという。果実はさく果、微小な種子を多数含む。