兵太郎池畔
ゼンマイ
Osmunda japonica Thunb.
ウラボシ綱 ゼンマイ目 ゼンマイ科 ゼンマイ属

北海道から九州に分布。山野のやや湿ったところに多く生える夏緑性多年草。構内では兵太郎池周辺などでよく見られる。根茎は短く塊状、そこから地上に出る葉には栄養葉と胞子葉(胞子嚢をつける葉)がある。若い葉は渦巻き型、白い綿毛で覆われる。栄養葉は長さ 0.5〜1 m、2回羽状複葉。小羽片は丸みを帯びた披針形、5〜10 x 1〜2.5 cm、縁には細かい鋸歯がある。まれに栄養葉の一部に胞子嚢がつくことがある。

胞子葉は3〜4月、栄養葉にやや先行して生じる。褐色で光合成能を欠き、小羽片は極めて幅狭く胞子嚢を密生している(下写真)。

代表的な山菜であり、若い葉を灰汁抜き、乾燥させたものを佃煮や煮物にする。また綿毛を織物などに利用することもある。語源は千枚または銭巻とされる。バネのぜんまいの語源はこの植物の若葉。