1: Pseudo-nitzschia pungens. 下田沖 (2011.5.14). 生群体. Scale bar = 20 µm.
オクロ植物門 珪藻綱 羽状目 バチラリア科
Pseudo-nitzschia pungens
(Grunow ex Cleve) Hasle 1995
Synonym:
Nitzschia pungens Grunow ex Cleve 1897
細胞は細長い披針形、蓋殻先端で重なりあって細長い群体を形成する。蓋殻両端は尖り、大きさ 74-142 X 3-4.5 X 8 µm。殻は帯面から見ても披針形。各細胞に黄褐色の葉緑体が2個、長軸にならぶ。
縦溝管が蓋殻の片側にあり、間板-間隙は条線とほぼ同数。縦溝管中央の間隙は他とほぼ同大、擬結節を欠く。条線は光顕下でも明瞭で9-15本/10µm。条線は2列の孔からなり、孔は3-4個/1µm、光顕でも確認可能。
以前本種の1型とされていた Pseudo-nitzschia multiseries (Hasle) Hasle は記憶喪失性貝中毒(Amnesic Shellfish Poisoning, ASP)原因であるドウモイ酸の生産者として有名であり、本種も微量ながらこれを生産することが知られている(小瀧 2001)。
世界各地の沿岸域から報告されている。模式産地は東京湾。
参考文献 References
- Hasle, G.R. & Syvertsen, E.E. (1996) Marine Diatoms. In: Identifying Marine Phytoplankton. (Tomas, C.R. Eds), pp. 5-386. San Diego: Academic Press.
- 高野秀昭 (1990) 珪藻綱. In 日本の赤潮生物(副代康夫・高野秀昭・千原光雄・松岡數充 編). 内田鶴閣圃, 東京. pp. 162-331.
- 高野秀昭 (1997) 珪藻綱. In 日本産海洋プランクトン検索図鑑(千原光雄・村野正昭 編). 東海大学出版会. pp.169-260.