単細胞遊泳性。細胞は楕円形だが形態変異が大きい。大きさ 40-72 x 30-56 µm。上錐は円錐台形で頂端は尖らない。下錘は上錐より丸みを帯び、後端は窪む。横溝はらせん状で細胞長の1/3以上ずれている。縦溝は上錐へわずかに侵入し、全体はS字状。上錐溝は外巻形。細胞表面に条線はない。横鞭毛と縦鞭毛をもつ。核は細胞頂端付近に位置する (図1a)。褐色の葉緑体が多数、放射状に配置するが、ときにその分布が細胞中央部付近のみに限られることがある。混合栄養性であると考えられる。
シストは楕円形、特別な装飾構造はなく、粘液物質に覆われる。
Gyrodinium属のタイプ種である Gyrodinium spirale とは葉緑体の有無の他にも形態的差異が多く、また分子系統学的にも類縁性がないことが示唆されており、おそらく近い将来別属に移されると思われる。
熱帯から温帯の沿岸域に広く分布する。日本沿岸ではしばしば赤潮を形成する。