1-3. Polykrikos schwartzii. 生細胞. 2a, 2b は同一細胞の焦点を変えたもの. 下田港 (2010.5.15). Scale bar = 50 µm (全て共通).
渦鞭毛植物門 渦鞭毛藻綱 ギムノディニウム目 ポリクリコス科
Polykrikos schwartzii Bütschli 1873
Synonym(s):

単細胞遊泳性で8(ときに16)個の細胞(個細胞 zooid)が縦に融合したような特異な体制をしている。細胞は長楕円形、長さ 80-160 µm。細胞前端は丸みを帯び、後端は浅く窪む。個々の個細胞は横溝をもち、横溝はらせん状で段差は横溝の幅と同程度 (図1, 2a)。縦溝は全ての個細胞のものがつながって細胞後端まで連続している。細胞頂端に外巻形の上錐溝がある。細胞表面はふつう条線を欠き、平滑。個々の個細胞が横鞭毛と縦鞭毛をもつ。核は個細胞数の半数存在し、細胞左側に位置する (図2b)。細胞内には複数の刺胞(nematocyst)が存在する (図2b)。光合成能を欠き従属栄養性。

シストは長楕円形で長さ80-160 µm、表面が濃褐色で粗い網目状の模様がある。

近似種に P. kofoidii があり、小細胞下錘部表面の条線の有無や核の位置、シストの表面構造から区別されるが、しばしば識別が困難なことがある。

世界各地に広く分布する。

参考文献 References