1, 3-9. Cyclostephanos tholiformis (?). 2, 10-17. Cyclostephanos dubius. 1, 2. 生体 (殻面). 3-17. 被殻 (殻面). 土浦港. (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 ニセコアミケイソウ目 トゲカサケイソウ科
キクロステファノス属(タイコトゲカサケイソウ属)
Cyclostephanos Round ex Theriot, Håkansson, Kociolek, Round et Stoermer 1987, Br. Phycol. J. 22: 346.
Type species: Cyclostephanos novaezeelandiae (Cleve) Round in Theriot et al. 1987 = Stephnodiscus novaezeelandiae Cleve in Cleve & Moller 1881
Synonym:

細胞は円盤状、ふつう単体性だが、まれに粘液糸によってつながった鎖状群体になる。殻高が小さいため、ふつう殻面が観察される。殻面は円形、平坦または同心円状には波打っている。放射状に伸びる胞紋列があり、胞紋列は1〜数本がまとまって胞紋列束(条線)を形成している。胞紋列束は殻中心付近から殻套まで伸びる。胞紋はドーム状の多孔篩板で内面を覆われる (EM)。胞紋列束間は隆起している。また胞紋列束間は殻内側、殻縁付近で隆起して肋になっているが、チャンバーにはならない (EM)。殻面と殻套の境界は不明瞭で連続的、胞紋列束や肋は殻套まで伸びている (EM)。殻面縁の胞紋列束間上にはふつう針があり、その下部に有基突起(周縁有基突起)が存在する。種によっては殻面にも有基突起(中心有基突起)がある。有基突起は2付随孔をもち (EM)、粘液糸を出していることもある (図1, 2)。殻面縁に唇状突起を1個もつ (EM)。帯片は開放型、小舌をもつ。帯片の胞紋は殻のものよりも細かい。葉緑体は盤状で多数 (図1, 2)。

殻の微細構造学的特徴に基づいて Stephanodiscus から分けられ、また Cyclotella に分類されていた一部も本属に移された。中心域まで胞紋列が伸びていることと殻肩に針輪があることで Cyclotella とは区別され、また胞紋列が殻套まで伸びていることと内面で条線束間が肋になることで Stephanodiscus とは分けられている。

淡水止水域に生息し、プランクトンとして出現する。霞ヶ浦では