1-10. Cyclotella meneghiniana (1, 2. 生細胞). 11, 12. C. atomus. 13, 14. C. delicatula (?). 15. C. striata (?). 2, 3. 帯面 (3a, 3b は同一被殻の異なる焦点に合わせたもの)、他は殻面. 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = 10 µm.
ストラメノパイル 不等毛植物門 珪藻綱 ニセコアミケイソウ目 トゲカサケイソウ科
キクロテラ属(タイコケイソウ属)
Cyclotella Kützing ex. Brébisson 1838, Consid. Diat. 19. nom. cons.
Type species: Cyclotella operculata (C.A. Agardh) Brébisson 1838 = Frustulia operculata C.A. Agardh
Synonym:

細胞は円盤状〜円筒形で直径4-50 μm、ふつう単体性だが、まれに粘液糸によってつながった鎖状群体になる。殻高が小さいため(1-3 μm)、ふつう殻面が観察される。殻面は円形、平坦または波打っている (図3) 。殻面の中心域(central area)と周縁部(marginal zone)では模様が異なる。中心域には胞紋列がなく、平滑 (図4-14) または凸凹がある (図15)。周縁部には放射状に伸びる胞紋列があり、胞紋列は1〜数本がまとまって胞紋列束(条線)を形成している(6-24 /10μm)。胞紋列束間は内側に隆起して肋になっている。 殻面と殻套の境界は不明瞭で連続的、胞紋列束や肋は殻套まで伸びている(EM)。殻面縁の胞紋列束間上に針状刺が存在することがあるが、光顕下では不明瞭。殻面縁には有基突起(周縁有基突起)輪が存在し、種によっては殻面の中心域にも1〜数個の有基突起(中心有基突起)がある(図5-9)。有基突起から粘液糸を出していることもある。殻面縁に唇状突起を1個もつ(EM)。葉緑体は盤状で多数(図1,2)。

100種以上が記載されている大きな属だが、近年多くの種が CyclostephanosDiscostellaPuncticulata などの属に分けられている。Stephanodiscusにも類似するが、胞紋列が殻面中心域まで達しないことで区別される。

淡水および海水域に生息し、多くはプランクトンとして出現し、極めてふつうに見られる。霞ヶ浦では Cyclotella meneghiniana が多く見られ、他に C. atomusC. delicatula (?) 、C. striata (?) がみられた。

参考文献 References