1. Ankistrodesmus fusiformis. 2. A. gracilis. 3. A. bibranianus. 土浦港. Scale bar = 10 µm.
植物界 緑色植物亜界 緑藻植物門 緑藻綱 ヨコワミドロ目 セレナスツルム科
アンキストロデスムス属
Ankistrodesmus Corda 1838: 196.
Type species: Ankistrodesmus fusiformis Corda 1838
Synonyms: Raphidium Kützing 1845; Selenastrum Reinsch 1867

ふつう4〜16個(ときにそれ以上)の細胞が集合した不動性群体。ときに共通の粘液物質で包まれる。群体中では細胞は束状になっているか、細胞の中央部で重なって星状になる。まれに単体性。細胞は両端が尖った細長い紡錘形、ときに湾曲、大きさ 7-105 x 1-8 µm。細胞壁は平滑。細胞は単核性。葉緑体は1個(分裂前には多数)、沿膜性で帯状。ピレノイドを1個もつが、光顕下では確認できないことも多い。

各細胞内で細胞分裂して2, 4または8個(ときに16個)の自生胞子を形成する。自生胞子は母細胞壁内で平行、ほとんど重なっている。鞭毛細胞や有性生殖は未知。

数十種が記載されている。細胞の大きさ、形態などで分類されている。細胞が大きく湾曲する種 (図2, 3) は Selenastrum に分けられることもある。また自生胞子が母細胞内でずれて配置されることで Monoraphidium と分けられているが、分子系統学的研究からは Ankistrodesmus (Selenastrum を含む) と Monoraphidium は分けられず、自生胞子の配置には平行進化が多いことが示唆されている (Krienitz et al. 2001)。

世界中の淡水止水域にきわめて普遍的に分布する。プランクトン性またはベントス性。

参考文献 References