1. Sorastrum americanum. 土浦港 (2006.10.30). Scale bar = µm.
植物界 緑色植物亜界 緑藻植物門 緑藻綱 ヨコワミドロ目 アミミドロ科
ソラスツルム属
Sorastrum
Kützing 1845, Phycologia Germanica. p. 144.
Type species: Sorastrum echinatum (Meneghini) Kützing 1845
Synonyms: Selenosphaerium Cohn 1879
4, 8, 16, 32, 64, または128個の細胞が、放射状に集まって球形の不動性定数群体(直径 60 µm以下)を形成する。細胞は直径 20 µm以下、三日月〜半月型、外側に伸びる1〜4本の突起をもつ。各細胞は群体中心に伸びる柄をもち、これで互いに結合している。
成熟細胞は多核性。葉緑体は1個、沿壁性、明瞭なデンプン鞘をもったピレノイドを1個もつ。
培養下ではときに多角形で突起をもった単細胞性の細胞が生じる。これはTetraedronの栄養細胞や、クンショウモのポリエドラ期に酷似している。
群体を形成するすべての細胞が遊走子形成を介した娘群体形成を行う。親細胞内で形成された多数(群体形成細胞数)の2本鞭毛性遊走子は細胞壁内層起源の袋に包まれて細胞外にでるが、短時間で遊泳能を失い、袋の中でお互いに先端を向け合って結合し、娘群体を形成する。培養下では、1個の袋の中に複数の娘群体が形成されることがある。有性生殖は未知だが、同科のアミミドロやクンショウモに似た過程をとるものと思われる。
10種ほどが記載されている。細胞の大きさ、外形、細胞壁突起の形態などに基づいて分類されている。分子系統解析からはクンショウモ属の内群であることが示唆されている (Buchheim et al. 2005)。
世界中の淡水止水域に分布する。プランクトン性。
参考文献 References
- Buchheim, M., Buchheim, J., Carlson, T., Braband, A., Hepperle, D., Krienitz, L., Wolf, M. & Hegewald, E. (2005) Phylogeny of the Hydrodictyaceae (Chlorophyceae): inferences from rDNA data . Journal of Phycology 41: 1039-1054.
- Guiry, M.D. & Guiry, G.M. (2006) AlgaeBase version 4.2. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. http://www.algaebase.org; searched on 13 December 2006.
- Komarek, J. & Fott, B. (1983) Chlorophyceae (Grünalgen). Ordnung: Chlorococcales. Die Binnengewässer. Band 16. 7. Teil, 1. Hälfte. Schweiz. Verlag. Stuttgart. pp. 1044.
- 山岸高旺 (2007) 淡水藻類 淡水産藻類属総覧. 内田老鶴圃. 1428 pp.