ゾウリムシの行動反応の制御機構

その1:ゾウリムシの行動反応

 ゾウリムシの通常の螺旋遊泳についてはすでに書きましたから、ここでは、刺激に対する行動反応について主に書きます。

左の図は、ゾウリムシの回避反応について説明したものです。

(1)前進遊泳しているゾウリムシが

(2)前方にある障害物に細胞の前端をぶつけると

(3)素早く後退遊泳をします。

(4)この後退遊泳は次第にゆっくりとなり、1カ所でぐるぐると頭を回します。

(5)この後ゾウリムシは方向を変えて、再び前進遊泳してゆきます。

このような行動反応により、ゾウリムシは障害物を回避できます。細胞前端に加わった機械刺激により、一連の行動反応が誘起されたことになります。

ここに示したのは、細胞の前端を機械的に刺激された場合ですが、反対に、捕食者等に追われて、細胞の後端を刺激されると、一過的に前進遊泳のスピードが増します。

機械刺激以外にも、化学刺激が加わった時にも、ゾウリムシはあたかも前に壁があるかのように回避反応を生じます。

 その2に続く