つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2002) 1: 66.

特集:大学説明会

卒業後の進路の説明 ―報告と反省―

佐藤 忍 (筑波大学 生物科学系)

資料(OHP)を示しながら、以下の説明を約15分間で行った。

 以下の表に示すように、生物学類では卒業生の80%以上が進学しており、この進学率は大学全体でもずば抜けて 高い。その理由は、現在の生物学が今まさに飛躍的に発展しつつあり、大学院に進んでさらに見識を深めることが、 生物学を生かした研究職(企業も含む)に就職をするためには必要であるからである。

 進学者の内、以下の表に示すように約半数が5年制の博士課程に進学し、その他が2年制の修士課程および他大 学の大学院に進学する。博士課程は大学教員や国公立研究機関・企業の指導的研究者を、修士課程は高度な専門職 業人(企業の研究職など)を養成することが使命であるが、博士課程に進学した者でも、2年で修士号を取得して 企業等に就職する者もおり、また逆に修士課程終了後に博士課程に編入し、さらに研究を続ける者も多い。環境科 学や医学に興味のある者が各々環境科学研究科、医科学研究科に進学し、農学との接点を求める者がバイオシステ ム研究科に進学する。高校等の教師を目指す者は、教育研究科に進学する者が多い。

 博士課程の修了者は、以下の表に示すように、企業に就職する者に加え、大学教員や国公立の研究所の研究員を 目指して、期限付きの研究員として活躍している。一方、修士課程の修了者は、多くが企業に就職するが、博士課 程に編入する者も多い。教育研究科では、教員になる者が多い。

 学類卒業生および大学院修了者の就職先企業等は、生物学類パンフレットの21ページに掲載されている。学類の 卒業生は、生物関連企業に限らず多彩な分野に進出している。一方、大学院修了者は、製薬会社や食品会社をはじ めとした生物学に関連した企業に就職している。また大学教員や国家公務員になっている者も多い。

 以上の説明の反省点としては、時間の関係でやや急いで説明した点と、学類卒業生が大学院進学後にどの様な進 路を歩んでいるかの資料が整備されていない点である。後者に関しては今後、大学院と連携して資料の整備を進め る必要が有ろう。卒業生のほとんどが研究志向であるという、現在の生物学類生のきわだった特徴を分かってもら えたと期待している。

Contributed by Shinobu Satoh, Received August 8, 2002.

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