つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2002) 1: 72.

特集:大学説明会

在校生の話 ―受験について―

森藤 倫子 (筑波大学 生物学類 1年)

 夏です。受験生の夏です。皆さん勉強していますか。

 学生からの話、ということで私は受験のことをお話します。

 最初に皆さんに言っておきたいことがあります。こんな風に壇上に人がいると、まるでその人が特別な人のように見えるかもしれませんが、いつもそうであるとは限りません。私の場合もそうです。たまたま私しかいなかった だけで、特別成績が優秀であったとかそんなわけではありません。だからこれから話す私の体験談はあまり参考にならないかもしれません。

 今日は皆さんへちょっとしたアドバイスが三つあります。一つ目は、試験は水物ということ。試験は水物。たぶん皆さんも耳にタコができる位聞いてきたと思われますが、本当に試験は水物です。成績がよくても落ちる人は落ちるし、勉強していない人でも受かるときは受かる。私の場合はどちらかというと後者の方です。だからといって勿論勉強しないで必ず受かるわけではありません。勉強したほうが受かる可能性が高いのは事実です。

 ではちょうど今の皆さんと同じころ、去年の今頃のことから話を始めましょう。去年の今頃、私は予備校の夏期講習に通っていました。ではまじめに勉強していたのかというとそうでもなく、聴く気はあるのに居眠りをしたり、 図書館に行っては居眠りをしたり、という状態でした。そんな感じで夏をすごし、秋になりました。早い時期に受験のあった友達の影響で、予備校の自習室に通いこの頃はまじめに勉強をしたものです。苦手科目は問題集を一冊決め、それをひたすら繰り返して解く、という事をしていました。そのまま冬になり、センター試験です。センター試験対策では過去問を解いていました。しかしそのセンター試験では見事に失敗してしまい、大学合格判定ではC 判定だったのです。じゃあセンター試験が悪かったからといって筆記試験に向けて頑張って勉強していたかという とそういうわけでもなく、センター試験の後、勉強しに行くという名目で学校に通っていましたが、本番直前に友達と意気投合してしまい、ほとんどおしゃべりの時間となっていました。毎日遊びに学校に通っていたようなものでした。どうして合格できたのか自分でも未だに謎でしょうがないのです。

 ここで、二つ目のアドバイス。国立大学受験の前に私立大学を受験する、または過去問を解いておくこと。国立大学の赤本を解いたりもしましたが、試験時間内に解く癖をつけるには私大受験が一番役に立ちます。私立大学の入試問題は国立大学より問題数が多く、試験時間も制限されています。私立大学の試験時間に慣れておくと国立大学の受験のときにとても楽になります。

 アドバイスの三つ目です。「勉強しましょう。」実は私は化学が苦手で、センター試験では40点台を取ったというつわものなのですが、二次試験の一週間前から詰め込みをしました。それで受かることは受かるのですが、私のよ うに詰め込みで勉強をするときちんと知識として残りません。合格通知が来てから入学式までの短い間にすべて忘れてしまい、入ってから授業で苦労することになるのです。だから皆さんはそうならないようにしっかりと普段から忘れないように勉強しておいてください。

 私の話はこれで終わりです。皆さんがんばって勉強してください。

Communicated by Fumiaki Maruo, Received August 23, 2002.

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