つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2002) 1: 76-77.

特集:大学説明会

在校生の話 ―マンチェスター留学体験記―

中尾 優希 (筑波大学 生物学類 4年)

 筑波大学とマンチェスター大学間の交換留学生として、3年生の8月から4年生の6月までイギリスのマンチェ スター大学へ留学してきました。2年生の9月に応募したのですが、どんな分野でも国際性が必要とされる今、いつか一度は海外に出てみよう、と思っていたこと、とはいってもただ語学のために留学するのではなく、英語で生物学を学んでみたかったということもあって、この留学制度は私にぴったりでした。


2002年大学説明会
マンチェスター留学体験記

 イギリスでの生活は、研究室での実験が中心でした。私の所属していた研究室はがん・アポトーシスがテーマで、男勝りな女性教授を筆頭にとても活気のある研究室でした。私に専属でついてくださった先生はイタリア人のとても陽気な先生で、厳しいけれど何から何まで丁寧に教えてくださいました。研究室のメンバーもみんなとても親切で、お茶の時間やクリスマス会などに参加して、とても楽しい時間を過ごすこともできました。

 寮では、1フロア10人での生活で、ドイツ人2人、中国人3人、イギリス人4人、日本人1人の私で、キッチン とシャワーとトイレをシェアしていました。一緒に夕飯を作ったり、映画に行ったり、踊りに行ったり、誕生日会やクリスマス会をしたりとことあるごとに盛り上がりました。週末には旅行に行ったりしました。

 10ヶ月はとても短く感じました。しかし、そんな中にも一日がとても長く感じられるくらいつらいこともありま したし、言いたいことが伝わらなくてストレスを感じることもたくさんありました。そんな時にいつも支えてくれ たのは、家族や友達、先生からのメールでした。とくに、2年間でとても深い仲になった生物学類の友達が、こんなに遠く離れても変わらず励まし、支えてくれたことは、私がこの留学で得た感動のうちのひとつでもあります。大学生活の4年間の中で、一生モノの経験や友達を得ることができました。

 留学だけが目的で生物学類を目指す、という人はいないかと思いますが、こんなすばらしい留学制度を持つ生物学 類をめざす、というのも、いいのではないか、と思います。高校生の皆さん、目標を持ってがんばってください。


寮のフラットメイト(右)の誕生日会 (中央が筆者)


週末に通っていたダンスクラスの先生と


学年末に行われた大学のパーティー (後列右から二番目が筆者)
Communicated by Yoshihiro Shiraiwa, Received August 5, 2002., Revised version received August 7, 2002.

©2002 筑波大学生物学類