1-3. Ceratium tripos. 生細胞 (腹面 [1, 2], 背面 [3]). 下田沖 (2010.5.17). Scale bar = 100 µm.
渦鞭毛植物門 渦鞭毛藻綱 ゴニオラックス目 ケラチウム科
Ceratium tripos (O.F.Müller) Nitzsch 1817
Synonym: Cercaria tripos O.F.Müller 1781

単細胞遊泳性。細胞は典型的な錨形、体幅 60-90 µm。上殻と下殻の高さはほぼ同じか下殻高がわずかに大きい。上殻は高さが幅の約1/2、左右がやや張り出した三角形。前角はまっすぐ前方へ伸びる。下殻後縁はやや弧状に張り出し、後角へ移行する。左右後角は横〜わずかに前方へ出てゆるやかに曲がり、右後角は斜め前方、左後角は前方〜斜め前方へ向かう。左右後角先端は閉じて尖っている。黄褐色の葉緑体をもつ。ときに分裂後の2個体がつながった連鎖群体状のものが見られる。

本種を含めて海産の Ceratium はタイプ種を含む淡水産の Ceratium とは系統的にやや異なるため、Neoceratium へ移すことが提唱されている (Gómezzo et al. 2010)。この場合、本種の種名は Neoceratium tripos (O.F.Müller) Gómez, Moreira & López-Garcia となる。

熱帯から寒帯まで世界中に広く分布する。外洋に多いが沿岸域にも見られる。

参考文献 References