つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2003) 2: 178-179.
特集:生物学類授業評価
TWINSによる生物学類授業評価の理念
林 純一
(筑波大学 生物科学系、生物学類長)
生物学類では昨年度1年間をかけて生物学類カリキュラム委員会、生物学類運営委員会、生物学類教員会議で活発な議論を繰り返し、いよいよ今年度(6月10日)からTWINSによる生物学類授業評価を実施することになった。しかし5月20日に開かれた第323回教育審議会で同様の取り組みを全学レベルでも行うことが会長の菊池 修 副学長(教育担当)からの提案を受け決定された。したがって生物学類生は二重に手間がかかることになるが、両方の授業評価に積極的に協力していただきたい。参考までに生物学類が行う授業評価の基本理念と、全学の授業評価との違いを以下にまとめた。 (1)授業評価の目的
★ 生物学類生に対する授業参加意識の向上。 むしろFDのため、最も有効で最も手間がかからない手法が授業評価と結果の公開であるという捉え方である。従って評価項目の中に具体的な改善点、評価すべき点などが盛り込まれている。 学生に迎合する授業や授業の個性喪失を避けるため教官の教育評価としては使わない。 各教官は公開を拒否することはできるが、その事実は公開される。 履修学生の1割を感動させ9割が理解できない授業と、9割がそこそこ理解し1割がつまらないと感じる授業のどちらが良い授業なのかは評価が分かれる。ただ、一つはっきりしていることは、どんなに先端知識が適切にちりばめられていて、内容として優れていても、聞き手にそれを理解する下地がない場合は「馬の耳に念仏」と同じであり、臨機応変な改善が要求されるということである。 (2)学生参加へのガイダンスの徹底
★ 「信頼度」を向上させるため、授業やクラスセミナーなどで授業評価の主旨を啓蒙し、真剣な取組を徹底する。また6割程度以上出席した学生が授業評価の資格を有することとする。 (3)公開へ向けての生物学類教員会議での議論
★ 生物学類会議、生物学類運営委員会、生物学類カリキュラム委員会で、1年に渡る時間をかけた十分な議論を行い、生物学類担当教官全員の合意のもとに今回のTWINSによる授業評価を開始した。 (4)生物学類生も参加した授業評価の議論 ★今回は、生物学類カリキュラム委員会で作成し生物学類教員会議で認められた授業評価アンケートを「たたき台」として用いたが、回答する側である生物学類生からも十分に意見を聞き、今後の授業評価に反映させたい。そこで、授業評価アンケートとは別に、次ページの調査を並行して実施している。
平成15年6月11日付 「TWINSによる生物学類授業評価の理念と協力のお願い」文書で生物学類1−3年生を対象に実施した調査
Contributed by Jun-Ichi Hayashi, Received June 3, 2003, Revised version received June 5, 2003.
©2003 筑波大学生物学類
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