つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2003) 7: TJB200307MM.

特集:大学説明会

大学説明会に参加して〜サークルの話〜

松山 真奈美 (筑波大学 生物学類3年)

 私は今回、大学入学後3年目にして初めて大学説明会に参加することになった。当初、裏方の仕事に徹するつもりで参加したものの、短い時間ではあったが、説明会の中でサークルに関する話をさせていただくことになった。正直なところ、高校生たちが聞きたいと思うサークルの話とは一体どんなものだろう、と戸惑いもあったのだが、やはりパンフレットなどには書かれていない生の声や実体験に基づく話がよいだろうし、大学生活の一面を知ってもらえればと思い、自分がやっている合気道のサークルの様子を思い起こしながら少し話をさせてもらった。私が話した内容は、以下のようなものである。

 ここにいる皆さんは、高校生ですから今現在部活動をやっているという人もいれば、今はやっていなくても中学校の頃にはやっていたと言う人もいることだと思います。この筑波大学にも、体育・芸術・文化系の様々なサークルや部活動が存在します。今日これから、サークルに関する話をしていくわけですが、私の話では特に、「サークルと(高校までのものを含む)部活動との違い」「サークル活動をしていてよかった、と思えること」「サークル活動と勉強との両立」に関して、少しお話させていただこうと思っています。大学での部活動は、高校までのものと同じようにやはり「試合に勝つ」ことを目的として厳しい練習を行なっています。これに対して、サークルの方はどちらかと言えば、自分たちのやりたいと思うことを自主的に自由に行う活動ではないかと思います。もちろん、サークルの中にも大会を目指して一生懸命練習をしているところはたくさんありますが、私の所属している合気道クラブなどでは、本人のやる気とか自主性を重視した自由な練習を行っていると思います。ですから、その分高校までとは違って本当に様々な事をやっているサークルがあります。

 では次に、サークル活動をしていてよかった、と思えることについて話したいと思います。 サークルをやっていてよかったと思えることのひとつは、普段の生活だけでは知り合う機会の少ない、他学類の友人や先輩、後輩が出来ることです。先ほどの授業の話でも分かったかと思いますが、生物学類の一年生は結構忙しくて学類内はともかく他学類の人と仲良くなるような機会はなかなかありません。また、サークルによっては他大学との試合などの交流もあるので、近くに他の大学がほとんどない筑波大学では他大学の知り合いを作るいいきっかけにもなります。更に、大学から新しいことを始めたいという人も多くて、サークルはこれまでやったことのなかったことを始めるのにもとてもチャンスだと思います。このようにサークルをやることにも色々ないいことがありますが、そうしたサークルの活動や色々な人との出会いを通して自分の世界が広がることが、サークルをやることの一番のいいところではないかと思います。

 では、最後にサークル活動と勉強との両立について少し話したいと思います。もちろん、大学に入ったからにはサークルばかりにかまけているわけにはいかないわけで、ちゃんと勉強もしなくてはなりません。実際、サークル活動を行うと自分の自由に出来る時間は減るわけで、もちろん勉強との両立などには本人の努力が必要です。うちの大学はなぜか3学期制のため、大会などが期末試験と重なってしまうということもしばしばあります。しかし、期末試験の日程などはあらかじめ分かっているので、試験の時に忙しいならば計画的に前々から勉強を進めておくなど、自分の努力とやり方次第で何とかなります。私の周りにもサークルや部活動で頑張っている友達が何人もいますが、みんな自分なりに工夫して上手く両立していると思います。

 こうしてお話してきたように、サークル活動等をやっていると確かに忙しいし、自分の時間は削られてしまうこうとにはなりますが、せっかくの大学生活を送る中で、何かひとつでも熱中できることを見つけて、楽しんでやっていくというのもいいんじゃないかな〜と思います。ぜひ、大学に入ったらサークル活動などを積極的にやってみて、充実した生活を送って欲しいと思います。

 果たしてこんな話で、高校生の参考になったのだろうか・・・という疑問は残ったが、この話をしたことを含めて、今回の大学説明会に参加したことは、私にとって非常によい経験になったと思う。

最後に、来年以降の説明会への期待を少々・・・・

今回の説明会は、昨年度の反省を生かして施設等の見学コース編成を新しくするなどの試みも実施されていた。このように今年の経験や反省を次年度に生かして、生物学類のよさ・面白さ・素晴らしさをもっとアピールし、説明会へ来た高校生たちがもっと満足のいく内容が提供できるようにしていけるといいな・・・と期待している。それとともに、未来の生物学類生のために一肌ぬごうという心意気のある在校生には、ぜひ来年の説明会に奮って参加してもらいたいと思う。

Communicated by Fumiaki Maruo, Received August 9, 2003.

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