有胚植物 維管束植物 種子植物 被子植物 アウストロバイレヤ目
アウストロバイレヤ科 Austrobaileyaceae (Croizat) Croizat nom. cons.

常緑性の多年性籐本。維管束形成層による二次成長を行う。木部は導管と仮導管、繊維仮導管をもつ。導管の末端には階段穿孔がある。篩管要素の葉緑体はS型、タンパク質体を含む。放射組織は幅広い。 節は1葉隙2葉跡性。葉はふつう対生し、皮質で単葉、全縁。芽中姿勢は二つ折り。羽状脈。短い葉柄をもつ。葉柄の維管束は弧状。托葉は葉柄間托葉、早落性。葉に腺点があり、精油細胞をもつ。

大きな花が葉腋に単生する。苞葉をもつ。花は両性、放射相称。 花被片は12〜24枚がらせん状につく。瓦重ね状。 雄しべは12〜25個、離生、螺生する。雄しべは求心的に成熟する。内側の6〜12個は仮雄しべになる。雄しべは扁平で花被片状。葯は内向、沿着、縦裂する。花粉粒は単溝粒。 離生心皮の雌しべを6〜9個もつ。雌しべは螺生する。子房上位。各心皮の縁辺胎座に6〜8個の倒生胚珠がつく。2珠皮性、薄層型珠心。胚嚢は単胞子性で4核4細胞性のマツブサ型。柱頭は2裂する。 花は悪臭を放ち、おそらく双翅類に花粉媒介される虫媒花。

果実は漿果で集合漿果を形成。外種皮は肉質、中層はリグニン化する。内胚乳には錯道がある。地上子葉性。

染色体数 n = 22。チグリン酸あり。アルカロイド、サポニン、青酸配糖体を欠く。イリドイドあり (?)。プロアンソシアニジンあり。

オーストアリア南東部に生育するAustrobaileya属の2種 (A. maculata, A. scandens) のみが知られる。以前はクスノキ目やモクレン目に分類されていた。